毎年この時期になると庭先に咲くハナニラ。
ハナニラは、小さな球根だが放っておいても繁殖力が半端でなくどんどん増え続ける花です。
葉や茎を傷つけると、ニラの匂いがしてひょっとして食べられるのではないかと思ってしまいます。
しかも、葉もニラに似ているので誤って食する人がいるようです。
一方、花ニラと言われるものがあります。
カタカナのハナニラと花が漢字である花ニラとどこが違うのか、果たして同じものなのかどうも分からない。
ハナニラと花ニラの違い、そして食べられるはどっちなのかお話したいと思います。
おすすめの人
- ハナニラと花ニラの違いを知りたい。
- ハナニラと花ニラはどちらが食べられるのか知りたい。
ハナニラとは
和名:ハナニラ
別名:イフェイオン、スプリングスターフラワー
ハナニラは園芸用の花
ハナニラは南アメリカ原産で球根タイプの多年草でネギ科の花です。
背丈は10~20cmくらいで、3月~4月に咲きます。
球根を秋に植えると、翌春には花が咲きます。
花が咲き終わり、放っておいても又、翌年も咲いてどんどん繁殖が広がっていきます。
画像出典:花と緑の図鑑
花の形は星の形をして別名クリスマスの星と言われています。
葉は細長く明るい緑色で、翌年以降になると長くだらしのない葉になります。
花は日当たりを好み朝は東へ、午後は真上に、夕方は西の方へ向き、夜や曇りの日や雨の日には花を閉じます。
ハナニラの品種には
- ロルフフィドラー 花の色:青紫色
- ピンクスター 花の色:ピンク色
- ホワイトスター 花の色:白色
- ウィズレーブルー 花の色:青みの強い色
- イエロー・スプリング・スターフラワー 花の色:黄色
花言葉は
『悲しい別れ』『耐える愛』『恨み』『愛しい人』『卑劣』
花ニラとは
画像出典:株式会社まつの
花ニラは、ニラの株をとう立ちしたもの
とう立ちとは、花を咲かせる茎の意味で、花芽がついた茎が伸びた状態をとう立ちといいます。
花茎の先に葱坊主のような小さな白い花が花が咲く前(つぼみの状態で)に収穫します。
例えば、「野沢菜のとう立ち菜」と言うものがあります。
野沢菜は秋に漬物用として葉を収穫します。翌年の春にそこから新しい芽が出て、花を咲かせる前にとう立ちした花茎を「野沢菜のとう立ち菜」と言っています。
この野沢菜のとうたち菜は、茹でて酢味噌や洋からしで食すと大変美味しいものとなります。
我が家で最近調理した、野沢菜のとう立ち菜です。.
花ニラは市場には通年出荷されていますが、開花期は露地栽培の場合4月頃から10月頃までとなります。
8月後半、葉ニラの株にとう立ちして花ニラが出てきますので、美味しく楽しめる時期は9月頃となります。
花ニラの摘み取りは手で行いますが、これも摘み取った直後からあふれんばかりの雫が滴り落ち、その涙の雫がとても甘いそうです。
しかも、独特なニラの匂いが全くないそうです。
花ニラは中華料理ではよく使われる食材で、茎がシャキシャで炒め物などに最適です。
花ニラのもとはニラ
ニラはヒガンバナ科で、種子や苗で育てられる中国原産の多年草です。
ニラは年に数回収穫出来ますが、株が若い初年度は多く収穫出来ず、2年目以降が本格収穫となります。
葉と花茎が独特な香りがあり、カロティン、ビタミン類、カルシウムなどが含まれる栄養豊富な野菜です。
ニラの香りはアリシン(硫化アリル)でビタミンB1の吸収を良くすると言われビタミンB群の豊富なレバーと相性抜群です。
ニラレバ炒めは理にかなった料理ですね。
さらに、アリシンはニンニクやネギにも含まれる成分で、ビタミンB1と結合するとアリチナミンを形成し、疲労回復効果が期待できます。
その他にもタンパク質の消化吸収を助けたり、免疫力アップ、血流をよくするという働きもあります。
ハナニラと花ニラの違い
ハナニラと花ニラは、言葉だけ見れば非常に似ていて一瞬分かりません。
ハナニラは園芸用であって、「食べられない。」
葉にはニラやネギの匂いがあり、ニラと間違えやすい。
有毒なのでニラと間違えて食べないように注意が必要です。
花ニラは「ニラ」のとう立ちであって、「食べられる。」
花ニラは野菜であるニラの株の花茎をとう立ちしたものです。
花茎の先にある花の開く前のつぼみの状態のものを花ニラといいます。
この花ニラが食用として中華料理などに重宝されております。
まとめ
ハナニラと花ニラは、言葉の上では同じように見えますが実は違いがあります。
・ハナニラは園芸用の花であって、有毒で食用ではありません。
・花ニラは食用であり、野菜であるニラのとう立ちと言って、花が開く前のつぼみの状態の花茎を収穫したものを言います。
それでは、又、お会いしましょう。