長い冬が終わり、街路樹の欅には新芽が出始めてきました。
虫たちも土の中から出て、桜の花も咲く時期になりました。
まさにこの季節を「木の芽時期」と言われています。
ここで、有名俳句のひとつをご紹介。
「木の芽の息が青空に立ち昇るなり」臼田亞浪
木の芽は春の季語です。
香りが立ち昇る映像が目に浮かびます。
今回は日本料理には欠かせないこの時期ならではの「木の芽」について紹介いたします。
木の芽とは
木の芽は春の季節の日本料理には欠かせないものになっています。
春になりますと木々の新芽が芽吹いてまいります。
一般的にはこの新芽を木々の芽のことをいいますが、料理の世界では木の芽というと山椒の新芽(葉)を指します。
葉山椒とも呼んでいます。
この木の芽はちょっと意外な感じですが、ミカン科の植物だそうです。
香りが大変たち、ピリリとしびれるようなさわやかさは薬味だけではなく、吸い物や煮物の添え物として重宝されています。
とりわけこの季節になると筍が出てまいります。
「たけのこご飯」に添えて飾ると、たけのこが一層美味しくなり、もうたまりません。
又、木の芽味噌や木の芽田楽と言った味噌料理にも重宝されます。
ちなみに果実の皮を粉にしたものが山椒となります。
木の芽の独特な香りはどう出すのか?
木の芽をきれいに洗って良く水切りしてから、手に平に乗せて、もう片方の手でパチンと上からたたいてやるんです。
そうすると葉の組織が壊れ、ほのかにハーブのような感じの山椒の香りが漂ってきます。
木の芽の旬の時期は?
春咲きから初夏までで、それを過ぎると香りやピり辛さが落ちます。
木の芽はスーパーなどの店先にはなかなか並ばないので、旬を楽しめる期間は少ないと言えます。
木の芽はどれを選べば良いか?
- 葉が薄く薄い緑(硬くなく、濃くなく)で新鮮なもの
- 香りが強いもの
- 葉の元が黒くなっていないもの
山椒の呼び方
今回は木の芽を紹介していますが、山椒は取れる時期によって呼び方が以下のようになります。
木の芽(若葉) |
山椒の若葉を言う。 |
花山椒 |
山椒の花を言う。 |
実山椒(青山椒) | 山椒の実を言う。 ピリ辛で佃煮やちりめん山椒として食される。 |
粉山椒 | 実の皮をすりつぶした粉末を言う。 七味唐辛子の原料となる。 |
山椒の成分と効能
山椒の成分と効能となります。
成分 | 効能 | |
サンショオール | 実に含まれる辛味成分でしびれを感じさせます。 | 胃腸の機能を高める 代謝の改善 |
シトロネラール | 独特な柑橘系の香りを作っている成分です。 |
鎮静作用 |
リン | 骨や歯つくるのに必要な栄養素です。 | 骨や歯を形成する 糖尿病や高血圧の予防 |
カリウム | ナトリウムの(塩分)の吸収を抑制し体外に排出させます。 | 血圧を下げる 細胞、神経、心臓や筋肉の機能の調整 |
マグネシウム | 骨粗鬆症の予防 神経伝達の制御 心疾患のの予防 |
参考・引用・抜粋させて頂きましたブログ:ちそうさんより
木の芽の保存
基本的には保存はおすすめしません。
使い切ることをオススメします。
それでも大量にあるのであれば、保存は以下のようになります。
- 軽く洗って、湿らせてキッチンペーパーに包んでジップロックに入れて野菜室で冷蔵
- 軽く茹でてラップで包み、ジップロックに入れて冷凍
注意:冷凍したものを温めると香りが飛んでしまいますので、凍ったまま料理すると良いです。
木の芽の食べ方・料理
おわりに
毎年冬が終えて春を迎えると、木の芽が噴き出る時期となります。
春になると山椒の「木の芽」が出てきます。
木の芽は香りが立ち、料理には欠かせない添え物として重宝されています。
この時期にしかない「木の芽」を楽しんでもらいたいです。
それでは、又お会いしましょう。