三大香木のひとつジンチョウゲ(沈丁花)は、春を迎える時期になると辺り一面に甘い香りを漂わせてくれます。
ジンチョウゲは日本では雄株が多く、実を付ける雌株が滅多に見かけません。
その為、種から増やすことは難しい植物です。
増やす方法としての「挿し木」と「育て方など」を紹介したいと思います。
おすすめの人
- ジンチョウゲ(沈丁花)の育て方を知りたい。
- 増やし方も知りたい。
ジンチョウゲについて
ジンチョウゲ(沈丁花)は中国が原産地、ジンチョウゲ科の常緑低木で樹高は1~1.5mくらい、苗で育てるのが一般的です。
別名「瑞香」と言われます。
鉢植えや地植えにて栽培をいたします。
春になるとジンチョウゲの花は、外側がピンクで内側が白色の小さな塊がいっぱい咲きます。
花とは言いますが、実際は花弁はなく4枚の花弁のようなものはガクが変化したものとなります。
ガクを花のように見せて匂いを出し、昆虫達を集めているのでしょう。
ジンチョウゲ「沈丁花」の名前の由来は、香りが沈香に似ていることと、十字型の花が丁字(クローブ)に似ていることからそのように言われています。
ジンチョウゲ(沈丁花)は雌雄異株で、雄株と雌株があります。
雌雄異株は単性花となりますが、実際のところは両性花ではないかとも言われております。
これは中国国内での進化によるものなのか、日本への持ち込み時にはそうなっていたのかはっきりしていないようです。
はっきりしているのは日本での流通は雄株が多く、赤い実を結ぶ雌株はめったにありません。
種の流通はあるようですが、育てるのは難しいようです。
<注意>
この実は猛毒ですので口に入れないようにしましょう。
花の香り
濃厚な芳香を出します。
三大香木のうちで一番遠くへ香りを運ぶこと出来ます。それだけ香り高いといことでしょうか。
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種類
沈丁花(ジンチョウゲ)の花は、白色に赤みを帯びた小花が固まって咲く種類が最も多く、白い花を咲かせるシロバナジンチョウゲ、緑色の葉に斑が入ったフクリンジンチョウゲ、赤く丸い実を楽しむミナリジンチョウゲなどがあります。
データ
科・属 ジンチョウゲ科・ジンチョウゲ属
和名 沈丁花
英名 Daphnen
学名 Daphnen odora ダフネ・オドラ
原産地 中国
花色 ピンク、白、黄色
花の期間 10~20日
開花期 3月~4月
常緑低木 1~1.5m
花言葉
「栄光」「勝利」「不死、不滅」「誘惑」「優しさ」
育て方
沈丁花は基本は苗から庭植え又は、鉢植えで栽培します。
植え付けの時期は新芽が伸び始める前の3月下旬~4月下旬です。
移植や植え替えを嫌いますので、地植えの際は最初からしっかり場所を選びましょう。
鉢植えも同様に移植や植え替えを嫌いますので、大きめの鉢を選んで植えます。
赤玉土小粒と赤玉土中粒の等量混合土7、腐葉土3の配合土などが適しています。
植え替え
植え替えや移植は原則として行いません。
特に大株は根が傷つくと枯死しやすいので、植え替えや移植は避けましょう。
小株の植え替えや移植する場合は、花後で新芽が伸び始める前の3月下旬~4月と、9月下旬~10月が良いです。
根を切らないように注意して、ていねいに根鉢を軽くくずし、一回り大きな鉢や庭に植えつけます。
移植する際は新しい用土を使い、同じ場所に植えないようにしましょう。
枯れることがある(病害虫)
病気:白紋羽病、ウイルス病
根に菌がついて褐変し、葉が黄化したり、縮れたようになったりして枯死します。樹勢が衰えてくると発病しやすくなりますので、清潔な土を使うようにしたり剪定は強剪定を避けるようにします。
発生したら周りの土ごと株を取り除き処分します。
害虫:アブラムシ、ハマキムシ
春から夏の高温多湿時期にアブラムシが発生しやすくなります。
新芽や歯の裏側に寄生して繁殖し、ウイルス病を媒介したりしますので見つけたら薬剤か手でつぶすかで駆除しましょう。
ハマキムシは幼虫が(2~4cm)葉っぱを丸めたり、数枚の葉をくっつけたりしてその中で葉を食べて生活します。
被害にあったら葉っぱごと幼虫を駆除しましょう。
挿し木(増やし方)
一般的に植物を増やす方法として、種まき、挿し木、接ぎ木、株分け、取り木があります。
ジンチョウゲは前述しましたように雄株が多いため実を付けません。
したがって種まきは出来ません。
最悪、病気で枯れてしまった場合の担保として最適な方法は「挿し木」が良いでしょう。
挿し木のポイント
新しい元気な枝を選ぶ。
鉢は深いものを選ぶ、多く挿さず1株に一鉢にする。
土は新しく清潔なものを。
切り口は鋭利にスパッと切る。
挿し木したあと半日は日陰に置く。
準備するもの
挿し木する枝。
挿し木用の鉢。
用土(鹿沼土や赤玉土の小粒、挿し木専用の土で肥料分のない新しいもの)
剪定ばさみ、清潔なよく切れるもの。
挿し木穴あけ用の細い棒。
発根促進剤。
適期
4月(前年に伸びた枝)、7月(その年に伸びた枝)の2回となります。
手順
葉茎の先端部を使います。
- 挿し木を行う前日にたっぷり水を与える。
- 上葉を2,3枚残し、先端から10~15cmで残りの葉は採る。
- 挿し木にする部分を斜めにカットする。
- 切り口を30分~1時間水に浸す。
- 水から上げた挿し木の切り口に発根促進剤塗布する。
- 挿す場所を細い棒で空ける。
- 挿し木を挿したら、倒れないように土を安定。
- 発根するまで水やりをこまめにやる。
- 2ヶ月後、根がしっかり生える。
- 冬を越したらポットに植え替え、地植えは1年後くらいに植え替えする。
剪定
剪定の基本
枝の付け根のところを選んで、風通しをよくするために間引き剪定を行いましょう。
病害虫の予防にもなります。
時期
剪定の適期は開花後の4月上旬~5月中旬頃までにしましょう。
夏以降に剪定をしますと、翌年に花が咲かなくなってしまいます。
ジンチョウゲは6月に入ると次の年の花芽が作られ、夏から秋にかけて生長し、12月頃にはつぼみとなり、開花期までは花芽のまま過ごします。
まとめ
ジンチョウゲは三大香木のひとつですが、中でも香りが一番遠くまで届く樹木です。
日本では雄株が多く、雌株は滅多に見られません。
その為、赤い実を付けることが出来ないので種植えが出来ません。
大切に育てたジンチョウゲが、病気や病害虫などで枯れてしまった時の為に「挿し木」で増やす方法がとられています。
それでは、又、お会いしましょう。