ライラックの木は香りがいいと聞いたが、ライラックのことや育て方について教えて欲しい。
ライラックはフランス語でリラと言います。
フランンスのシャンソンや日本の歌謡曲に「リラの咲く頃」というものがあります。
中島みゆきさんの同名の歌詞のなかには「時が来れば花は香る」と幾度もあります。
ライラックは冷涼な土地を好むが故に関東以北とりわけ北海道に多く、そのせいか香りとともにさらに旅情を誘う樹木ではないでしょうか。
そのライラックについてご紹介したいと思います。
おすすめの人
- ライラックのことや育て方について知りたいと思っている人。
ライラックとは
ライラックは寒冷地で多く栽培され、モクセイ科であることから初夏には金木犀のような良い香りを出してくれます。
和名をムラサキハシドイと呼ばれ、フランス語ではリラと言われています。
バルカン半島原産の低木で、紫や青、桃、黄、白といった多数の小さな花を円錐状(円錐花序)にふさふさと咲かせてくれます。
仲間に東アジア・日本原産の和製ライラック「ハシドイ」があります。
ハシドイはライラックと比べ大きくなり、白・黄色の花で、開花は遅く6-7月に円錐花序に咲かせます。
データ
●モクセイ科ハシドイ属
●別名ムラサキハシドイ(紫丁香花)
●英名 lilac
●花期:3~6月
●果期:9~10月
●落葉低木
●ハシドイ属には約13種、亜種含め20種ほどあります。
花言葉
「思い出」「友情」「謙虚」と言われております。
又、花の色によって次のようにも言われています。
紫色:「恋の芽生え」「初恋」
白色:「無邪気」「青春の喜び」「若き日の思い出」
ライラックをシンボルとする市町村は
●札幌市
●夕張郡長沼町
●釧路(ハシドイ)
以外と少ないですね。
花の色と形状
一般的に白色、紫色、青色、ピンクに分けられます。
近年になると赤色、マゼンダ・パープル、クリーム色や覆輪の縁どりがある色が出て来ています。
花の形状は殆どが小さな花を穂状に(円錐花序)たくさん咲かせます。
ライラックの特徴
ライラックの特徴は、何と言っても「香り」にあります。
殆どの種は冷涼な土地でよく育ち関東以南ではあまり見かけることはないです。
特徴
●木が堅く建築用資材に使われています。
●耐寒性が強く、暑さに弱く、品種も多数ある。
●花期が長い。
●花冠の先は普通4つに裂けているが、まれに5つに裂けているものがある。
●香りは金木犀と同じいい香りで、香水の原料となっています。
香りのない種もあります。
種類
日本ではライラックが人気であり、ライラックと言えば毎年5月中旬に行われる「さっぽろライラックまつり」が有名であります。
札幌の寒冷地のイメージとは違い、環境さえ工夫すれば暖かい土地でも育てられる品種もあります。
主な種は
●ライラック バルカン半島原産
バルカン半島原産で香りがよく香水に使用されます。
色は紫・青・桃・黄・白色の花が4月~5月に咲かせます。
●ペルシャライラック
紫・桃・白の花が4月~6月に咲かせます。
一般のものと比べ耐熱性が強く、樹形は低く育てやすいようです。
●ハンガリーハシドイ(紫ハシドイ)
バルカン半島原産で桃色や紫、白の花が5月~7月に咲かせます。
寒さには強いが夏の高温多湿を苦手としています。
●ハシドイ
東アジア・日本原産で白色・黄色の花を6月~7月頃に咲かせます。
寒冷地におすすめです。
●メイエリ種
中国原産で淡い紫、桃色の花を4月~5月に咲かせます。
一般のものより低い樹形です。
その他数多くの園芸種がある。
ライラックには数多くの園芸種があります。
●エスターレ
濃いピンクの一重咲の花を咲かせます。
●センセーション
白色の覆輪で赤紫色の花を穂状(円錐花序)に咲かせます。
●ティンカーベル
アメリカで育種されたドワーフタイプ(矮性)の品種で濃いローズの蕾に淡いピンクの花を咲かせます。
●マデムレモネイ
純白の小花を八重咲きでふんわりと穂状(円錐花序)に花を咲かせます。
●プリムローズ
柔らかなクリームイエローの小花をふんわりと穂状(円錐花序)に咲かせます。
●チャールズジョリー
赤紫色の八重咲きの小花を穂状(円錐花序)に咲かせます。
●姫ライラック
小形で大きくならず、暑さにも強い種で桃赤色の花が咲きます。
姫ライラックにも仲間の品種が多くあります。
●クラークジャイアント
薄い青味がかかった紫色の房が大きい花を咲かせます。
●パープルグローリー
濃い紫色一重の大輪の花で暑さに強いです。
●エンジェルホワイト
純白の大きな花で、暑さに強いです。
その他15種ほどあります。
ガーデニング
冷涼な土地で日当たりの良い場所を好みますが西日を嫌います。
夏は午前中に日が当たり、午後には日陰になるような場所に植えましょう。
庭木、鉢植え、苗として栽培します。
増やし方
挿し木、株分け、接ぎ木、取り木、種まきで増やします。
●挿し木や接ぎ木,取り木は3~5月が適期となります。
●株分けは3~5月又は9~11月が適期となります。
●種まきは夏~秋、冬~春に行います。
気温が15~20°ほどになると発芽します。
剪定
基本的に剪定は他の植木と同じで、形を整える、風通しを良くして病害虫を予防する目的で行います。
剪定適期と花芽のない枝を考慮します。
●花後すぐに不要な花芽のないところを選び剪定します。
●7月頃から来年の花芽を作るので、その前に行いましょう。
病害虫
特にうどん粉病はすべての植物の大敵な病気です。
雨が少なく日照時間が長い冷夏や、晴れと雨が交互に続く秋などに発症しやすいです。
●アブラムシ(新芽に発生します)
●カイガラムシ(風通しが悪い、枝が込み過ぎの時に発生しやすい)
●うどん粉病(湿度が高い時期の乾燥時に発生しやすい)
まとめ
ライラックは寒冷地で多く栽培され、良い香りを出し香水の原料としても使われています。
別名はムラサキハシドイと言われ、ハシドイ属の他に園芸品種と言われているものがとても多いのが特徴です。
ガーデニング(増やし方、剪定、病害虫)について紹介しました。
それでは、又、お会いしましょう。